#16『光の旅人 K-PAX』
『光の旅人 K-PAX』
・あらすじ
精神科医であるマーク・パウエル(ジェフ・ブリッジス)のもとに精神病を患う新たな患者(ケヴィン・スペイシー)が送られてきた。
その患者は自らをプロートと名乗り、地球から1000光年離れたこと座にある惑星K-PAXから来た異星人であるとマークに告げる。
どんなに突拍子のない話であっても、親身になって患者の話を聞かなくてはいけないのが精神科医の務め。
マークはプロートの胡散臭い話を真剣に聞いてあげるのだが、話を聞いていくうちにだんだんとプロートの話が真実味を帯びていると感じ始めるのである。
やたら天文学に詳しいプロートは単なる精神病患者などではなく、本当に遠い惑星からやってきたK-PAX星人なのであろうか。
・他の入院患者を治していく
プロートが精神病患者などではなく、本当にK-PAX星人なんじゃないかと思わせる言動は作中においてたびたび見受けられる。
たとえば、北の方に旅へ行くと言って3日間ほど姿をくらましたり、数名の天文学者しか知らないような天文学的な知識を持ち合わせていたり、ただの精神病患者では不可能なことをプロートは平然とやってのける。
その中でも特に印象深いのが、ほかの入院患者の状態を良くしていくということである。
「大切な人が来るのを待っている」と言って、自分の部屋から一歩も外へ出ようとしなかった女性を他の患者を使って見事に出させたり、世の中には菌やウイルスがうじゃうじゃいると言って常にマスクをし、外界とのかかわりを持ちたがらなかった男性を、これまた他の患者を使って死に対する恐怖を無くしてあげたりと、少々荒っぽいやり方ではあるが、的確に状態を良くしてあげたのだ。
そのようなシーンを観ると、「プロートは本当にK-PAX星人なのではないか」と思ってしまう。
・最後まで観れば真実が分かる
ストーリーの流れからすると、プロートは本当にK-PAX星人なのか否かということを視聴者に考察させようとするのが狙いなのかと思いきや、本作を最後までしっかりと観れば真実が分かるようになっている。
もちろんハッキリとは断言していないのだが、今までの流れを観て少し考えればちゃんと答えが出ているといってもいいだろう。
ここで答えを言ってしまうとネタバレになってしまうため詳細については述べないが、気になるという方は最後までしっかりと観て、ご自身の目で答え合わせをしてみてほしい。
・Amazonプライムビデオおすすめ度
★★★★☆(4点/5点満点中)
タイトルやパッケージ写真を見ると、何となくSFっぽいストーリーを想像していたのだが、実際には全く異なるジャンルであった。
個人的にはプロートが本当にK-PAX星人だったかどうかをもう少しわかりづらくしてもらい、終わった後も色々なシーンを思い返して考察したかったのだが、ハッキリと分かるような内容だったため、余韻に浸ることが出来なかったのが少々残念に感じた。
ただし、最後まで楽しんで観ることが出来る内容になっているとは思うので、興味があるという方はぜひ観てみてほしい。
・スタッフ・キャスト
【監督】
イアン・ソフトリー
【原作】
ジーン・ブリュワー
【脚本】
チャールズ・リービット
【制作】
ローレンス・ゴードン、ロイド・レビン、ロバート・F・コールズベリー
【キャスト】
プロート:ケヴィン・スペイシー
マーク・パウエル:ジェフ・ブリッジス
レイチェル・パウエル:メアリー・マコーマック
クラウディア・ヴィラー:アルフレ・ウッダード
ハウイー:デヴィッド・パトリック・ケリー