映画素人の映画評論

「Amazonプライムビデオで映画を観たいけど何を観たらいいか分からない」という方のために、実際にAmazonプライムで観た映画を評論していきたいと思います。ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。

#11『恋恋豆花』

 

『恋恋豆花』

・あらすじ

母親を幼いときに亡くした森下奈央(モトーラ世理奈)は、父親の提案により父親の婚約者である綾(大島葉子)と二人きりで台湾旅行をすることになる。
綾に対して心を開いていない奈央は行きたくないと心の中で思うのだが、そのままの流れで台湾へ行くことになる。
いざ台湾に着いても奈央はなかなか心を開くことが出来ずに、ほとんど会話も無いまま時が過ぎていくのだが、美味しい料理やスイーツ、風光明媚な街並み、優しい人々との出会いを体験していくうちに綾に対して徐々に心を開いていく。
婚約者の娘である奈央に対して「本当の親子のようになりたい」と願う綾は、果たして今回の旅行をきっかけにその願いをかなえることが出来るのだろうか。

・はじめは台湾を紹介するロケのような雰囲気

台湾についた奈央と綾はさっそく台湾の観光名所でもある九份という町へ出向き、綺麗な街並みや美味しい料理・スイーツなどを堪能する。
その際には料理名・スイーツ名のテロップが入り、奈央がナレーションで料理・スイーツの紹介をする。
その様はさながら情報番組などでお笑い芸人やタレントなどが街を歩き回りながらお店を紹介するロケのようである。
初めて観るような料理が出てきた際にもちゃんと説明してくれるため、置いて行かれるということもなく楽しんで観ることが出来るのではないだろうか。
始めに訪れた九份という街はどうやらスタジオジブリの名作『千と千尋の神隠し』に出てくる街並みのモデルになった場所らしく、やたら『千と千尋の神隠し』を連呼していたのが若干気になったが・・・(笑)

・継母候補と二人きりでの気まずい旅行

父親の婚約者であるというだけで、まったく仲良くもない女性と二人きりでの海外旅行。
自分だったら絶対に行きたくないと思うし、実際に作中内においても奈央はあからさまに嫌なムードを態度に出しており、観ているこちらまで気まずくなってしまうほどであった。
「二十歳になったいい大人がそこまで露骨に態度に出すのもどうなの?」と思うくらい毛嫌いしているのが画面を通してひしひしと伝わってきていたので、「さすがに綾がかわいそうでしょ・・」と少し同情してしまう。
しかし台湾の美味しい料理やスイーツを食べ進んでいくうちに、奈央の機嫌も徐々によくなっていき、2日目にはあれだけ毛嫌いしていた綾とも少しずつ話すようになり、画面越しの筆者は少しほっとしたものである。
気まずい相手との壁を見事にぶち壊してしまうほど美味しい台湾料理・スイーツ・・・。
ぜひとも子どもの頃にケンカ別れして以来会っていない友人を連れて行って食べてみたいものである。

・序盤は良かったのだが・・・

ストーリーの入り方や台湾の街並みがとても良かったため、このまま楽しめるのかと思っていたのだが、中盤辺りから中だるみ感が半端なく観ていて途中で飽きてきてしまった。
途中一期一会的な出会いもいくつかあり、ストーリーに変化をつけようとしているのが分かるが、そんな努力もむなしくとても単調に感じてしまい観ているのが辛くなってきてしまったのだ。
また、奈央が心の中の声をパペットを使い声色を変えて急にしゃべりだすという演出がところどころであるのだが、観ていて少し痛々しいと感じた。
たまに似たような演出を使った映画を見かけるが、そのような演出はすべからく廃止すべきではないかと個人的には思う。

・評価:★★☆☆☆(2点/5点満点中)

基本的に海外旅行にあまり興味のない筆者であるが、前々から台湾だけは行ってみたいと思っていたためストーリーの序盤においては、見慣れない街並みや食べ物にドキドキわくわくしながら観ることが出来たのだが、途中からは異文化に対する耐性がついてしまい、飽きてしまったというのが正直な感想である。
もう少しストーリーが面白ければ評価も変わっていたかもしれないと思うと少し残念だ。
しかしながら作中に出てきた料理やスイーツはどれもおいしそうで、中でも本作のタイトルにも使われている豆花(トウファ)というスイーツがとりわけおいしそうだったので、日本で食べられるお店を探してチャレンジしてみたいと思った。

・スタッフ・キャスト

【監督・脚本】

今関あきよし

【脚本】

いしかわ彰

【キャスト】

森下奈央:モトーラ世理奈
塚田綾:大島葉子
森下博一:利重剛
中山清太郎:椎名鯛造
Gladys TSAI
真宮葉月
シー・チーティエン
ビッキー・パン・ズーミン
山田知弘
友咲まどか
龍羽ワタナベ
洸美-hiromi-
芋生悠
落合真彩
桐生桜来
藤原希
梶健太